今だから考えたい恐怖と不安と怒り

最近いろいろニュースを見る度に考えさせられます。

あまりにも毎日たくさんの事が世の中で起こり過ぎてて、あれについて書きたい!これについて書きたい!と思うばかりで、なかなか考えがまとまりません。

そんな中、こんなニュースが飛び込んで来ました。それがこれ↓

「帰省してまもない妊婦 救急搬送の受け入れ断られる 岩手」— (NHKニュース)

故郷岩手での出来事だったので、思わず息を飲みました。そして思ったのがこれ。

アメリカだったら、これは絶対にありえない!

本当はこの件について、ここで書こうか迷ってました。同じように感じてツイートした人のツイートが、荒れに荒れてて炎上してたから。(ちなみに、炎上防止のため、そのツイートはここには載せません。)

でもやっぱり書かずにいれませんでした。だって、同じようにコロナ騒動で病院がテンテコ舞いの渦中になるアメリカでさえ、ほぼ起こり得ない件じゃありません?仮にも日本は先進国と謳われてる国ですよ。

そして、更に私が一番悲しくなったのは病院側を擁護し、この当事者を叩く世間でした。確かに彼女の選択、つまり帰省するべきではないのに帰省した事は間違いだったと思います。

でもそれだからと言って批判し叩く世間。ちょっと狂ってません?

出産は命がけです。私も命を張って娘を出産しました。本当は死んでいたかもしれない状況でした。多くの母親が命を張って我が子を産んでます。

たとえ間違いを犯した人間でも、私たちと同じ「命」ある人間です。「命」はどんな状況であっても、同じ「命」と変わりません。全ての「命」が尊いって、子供の頃に教えられませんでした?

それなのに、そうじゃないと思う人々が大多数いる。「恐ろしい」という言葉以外に言葉が見つかりません。

そしてそんな中、また違う記事が飛び込んで来ました。それがこれ↓

「『私だから拒まれた』看護師の悲痛な思い-コロナ恐れる偏見の目」—bloomberg.co.jpより

これもあり得ません。むしろアメリカでは今、医療従事者達が拍手喝采を受けてます。彼らはコロナ前線で闘うヒーローとさえ謳われてます。

いったいなぜこんなにも違いがあるのか、、、?

そういろいろ考えてみました。そして得た結論はこれ。

やはり文化の違いという事ではないでしょうか。

アメリカはキリスト教が土台の国です。ご近所さんに優しくしましょう、お互い感謝し合い助け合いましょう。そして罪を許し合いましょう。それが基本精神になってますよね。

だからコロナ感染者が世間に謝る必要ないし、それを世間からも求められない。そして医療崩壊は感染者のせいでもなければ、それ以外の疾患で病院に運ばれる患者のせいではない。今ここで問われてる医療崩壊危機は、概ね行政のせいにされてると思います。

日本の医療状況について、自分は詳しくわからないので何も言いません。感染してないその他多くを守る側の言い分。わからないでもありません。

ただ、人間として慈愛の精神が欠けてる日本社会の一面を、今回ニュースで目のあたりにして、自分が日本社会を去った理由を再確認してしまいました。

私は宮崎駿監督の映画「もののけ姫」が好きです。その中で重要なキャラクターである「タタリ神」を知ってますか?詳しくはこちらのサイトを参考にして欲しいのですが、コロナ騒動が起こって以来、私はこの「タタリ神」が頭から離れません。

というのも、「タタリ神」は「怒り」と「怨念」の結晶だから。そして、その「怒り」と「怨念」により、自ら身を滅ぼすと言う事を体現してます。

人間は不安になった時に、恐怖に慄き、その恐怖が怒りと憎しみに変わり、そしてその怒りと憎しみは怨念となり他者を攻撃する。

ウィルス感染者・死者拡大により、自宅待機を強いられ、働きたくても働けない人々がデモをアメリカ各地で起こしてますが、彼らの怒りはまさに恐怖と不安から来ているわけですよね。そして彼らの怒りの矛先は今、私たちを守ろうと必死に戦ってる政治家、はたまた医療専門家や医療従事者にまで及んでます。

マスクもせずに、ソーシャルディスタンスも無視して、デモに参加してた人たちの中に感染者が増えるのではという懸念が専門家から出されてるニュースも聞きました。これは身を滅ぼしてる行為。まさに「タタリ神」そのものではありませんか。

先にも書いた日本でのニュースも、まさに人間がもつ「タタリ神」から来てます。そして、誰でも「タタリ神」になりえます。「タタリ神」になるかならないかは、私たち一人一人が心の持ち用によると思います。

我が家のキッチンの窓越しにバードフィーダーがあります。そこにやってくる野鳥たちを観察しながら、私は日々思う事があります。

私が近くとすぐ逃げてします野鳥。喧嘩し合う野鳥。そして、私が近づいても、時として私をじっと見つめながら、ただ悠長に餌を頬ばる野鳥。

正しい科学の情報を元に、お互い防御するための基本対策をし、穏やかな物腰でどっしり構えて生きてる方が、もしかしたらこの危機から心身ともに生き残れるのかもしれませんね。

*写真は先々週に開花したクリーブランドのソメイヨシノです。