英語力というトラウマを克服するためにできる事

唐突ですが、実は「英語」に対するトラウマをもってます。それは、どんなに長くアメリカで生活していても、うまくスムーズに英語が話せない自分がいるからです。そして、たまに家族以外の人たちと会話して、うまく話せないことに気づき落ち込むことがあります。

このトラウマは、大学卒業後初めて受けた就活の面接で、さんざんBroken English(壊れた英語)と冷笑されてできた心の傷です。その後、雇ってもらった大学教授にも、似たようなことを言われ、もっと勉強するように言われたからなんです。ちなみに、夫と彼の家族は一度たりとも、私の英語をバカにすることはありませんでした。

英語以外の外国語を話さない人に、英語が下手だと言われるほど理不尽なことはありません。だって、二つの言語を操ることの難しさを知らないからです。夫は、外国で育った事もあり、海外出張も多かったせいか、その辺の難しさを十分理解してます。

でもアメリカしか知らない人たちは、平気で壊れた英語を指摘することがあるんです。会話してても、「あ、この人、私の英語を聞き取るのに不快になってる」と、表情から気づくことありません?それくらい自覚してるから、あえて言われると傷つくんですよね。

でも事実だから仕方ない。できないものはできないんだもんね。ただ勉強し続けるしか術はありません。ここで育った事がないアメリカ在住者なら皆が、自覚する苦い経験ではないでしょうか。私の場合特に、23歳で自力で勉強をしにアメリカにやって来たという背景から、劣等感は人並み以上にあったかもしれません。

たまに周りから「えっちゃんは、ここで大学を卒業してるからそんな事ないでしょ?」と言われる事があるけど、それは違います。大学で勉強をしたからと言って、自然に英語がうまくなるわけでもありません。ましてや、ただ住んでいるだけでは、うまくならないし、家族が英語を話すからと言ってうまくなるわけでもないんです。

そりゃあ、日常生活を送る上で困らない程度には、英語は上達しますよ。それはホント。でも人ってある程度コンフォートゾーンに入ると、それが心地良過ぎて努力しなくなるんですよね。たとえ日常会話やテレビで分からない単語があっても、なんとなく話の流れは理解できるから、それ以上追求しないようになるんです。よっぽど必要な情報じゃない限り、「わからなくても、ま、いっか」と言った思考に陥るようになります。

でも、これってホントにダメ。この思考の癖のままだと、本当に英語はある一定のレベルで止まってしまいます。私がそれを実感するようになったのは、やはり子供たちが生まれてからです。

そして、彼らのボキャブラリーレベルが高くなればなるほど、「やばい。何を言ってるかわからない。会話についていけない。」と焦るようになりました。

そこで、それを克服するために、数年前から始めた習慣がこれ。

  • 読書習慣
  • 公共ラジオ(NPR)聴取習慣
  • 音読の習慣
  • 英語で日記
  • 積極的な英語ソーシャル

読書習慣

読書に関しては、以前もここでちらっと書きましたが、オンライン新聞からはじまり、子供たちがかつて読んだ児童書を就寝前に読む習慣です。そして、わからない単語があったら、単語帳に英語で意味と例文を書き留めてめておく。たまに時間がなくてできない事もあるけど、これをできるだけ習慣付けるようにしてます。

最初は、1日にひとつ興味がある新聞記事を読むだけで十分だと思います。地元紙でもいいだろうし、テレビ局の記事でもいいだろうし、とにかく英文に慣れることから始めた方が負担にならないと思います。

児童書も、絵本から始めて十分です。簡単な絵本から始まり、小学校2年生レベルのチャプター本(Chapter books)に移り、ゆくゆく中学生レベル(Youth Level)にレベルアップしてもいいと思います。私は読書がもともと苦手なので、まだチャプターブックに留まってますが、いつかレベルアップできるように頑張りたいです。

NPRラジオ聴取の習慣

NPRラジオは毎日家事をしながら、車の運転をしながら、そしてクラフトアート製作をしながら聴いてます。NPR以外は聴いてません。NPRの良さは、ニュースはもちろんエンタメ、そして雑学や化学といったいろいろな情報を得れるからです。聴いているだけで、たまにナショナルジオグラフィック誌を一冊読んだ気分にもなってしまうくらい、ものすごく勉強になるんです。もちろん聴いてる最中に、わからない単語が出てくることがあります。特に車の運転中にそれがあると、書き留めたくてもできない状況なので、わからないままという事もよくあります。それでも、何度も出てくるわからない単語は、頭の中で繰り返して発音して覚えておくようにし、帰宅してから調べるという習慣は心がけてます。

最近NPRの番組に詳しくなり、特に好きな番組や運転中に全部聞けなかったものは、あとでポッドキャストで聞き直してます。聞き直しって本当に良いですよ。内容があいまいにしか理解できなかった場合は、特に復習の意味もかねて記憶に残りますからね。たまに、聞いたフレーズがぽろっと無意識に会話で使えるようになった時なんか、ものすごく嬉しくなますよ。

音読の習慣

これは、お子さんをお持ちの方は、すぐ実行できる習慣だと思います。私は、子供たちが生まれて以来ずっと就寝前の読み聞かせとしてやってます。音読する時、発音に注意しながらすると更に効果的です。絵本を卒業して、チャンプター本に移った場合、1章だけでも十分だと思います。そして、分からない単語があった場合、一緒に調べて勉強する。親子の絆も深まるし、親子の読解力も深まるので万々歳です!

音読とは少し違いますが、お子さんがいらっしゃる方は、一緒に子供番組を鑑賞するのもおすすめです。子供の日常会話で使うフレーズや形容表現を、絵本と合わせて勉強できます。私は、ディズニーより断然PBS(公共テレビ)が好きなので、お薦めしておきます。

英語で日記

実は英作文は、一番苦手なんですよ。だからあえて勉強として書こうと思わなかったのですが、数年前から徐々にソーシャルメディアで英文のみで投稿するようになりました。インスタやフェイスブックだっと編集機能もついてるので、あとで自分の文法的間違いを修正できますし便利です。

実は今就活にあたって、オンラインポートフォリオサイトを制作中です。ビジュアル的なポートフォリオはもちろんですが、日本語のブログで書いてるような事も、英語で書けるようになりたいと思ってます。

私が今読んでる就活ガイド本のひとつWhat Color Is Your Parachute?の自己診断エクササイズのひとつに、「自分が人生で何を達成したのか?」というテーマでエッセイ7つを書けとあったので、それをきっかけにエッセイを英文で書く練習もはじめました。

もちろん文法や言い回しの間違いはありますよ。でも先述した読書とラジオ視聴を習慣付けてるおかげか、文章作成が思った以上にスムーズにできるようになりました。とにかく英語で考え書く習慣をつける事が大事だと思ってます。そして、何度も読み直し修正する。この繰り返しで、英作文が面倒臭いものから楽しいものに変わりました。

積極的な英語ソーシャル

日本人が一番苦労するのは、英語でのソーシャルではないでしょうか。見知らぬ人と小話をする習慣がほとんどない日本社会で育った日本人が、アメリカで一番最初に経験し躊躇してしまうのは、お店などで見知らぬ人に話しかけられるという状況。これに慣れるまでけっこう私も時間がかかりました。とっさの反応とか、けっこう難しいんですよね。

それと初めて知り合った人たちとの会話も繋げるのに凄く苦労します。だってボキャブラリー数少ないし、それ以上に文化自体を詳しく知らないから、文化に関わるフレーズとか理解できな事多いですからね。

アメリカ生活が長くなるにつれ、家族や友人との交流で徐々に会話力は伸びるのですが、全く知り合いがいないソーシャルの場での会話力はスキルを要すると思います。スキルを伸ばすにはやっぱり経験を積むしかないんですよね。

コミュ障気味だった自分は、あえて自分をそういった場に身を置くように努力しました。子供達が生まれる前は、仕事のネットワーキング目的でウェブデザイン関連のミートアップに参加したし、子供達が生まれてからはツインズクラブという非営利団体に入りボランティアもしました。

今も娘の学校でPTO(日本で言うPTA)に入りボランティアを積極的にしてます。それで最近感じることは、自分のソーシャルスキルがずいぶん上達したという事です。初めての人でも、そんなに緊張しなくなったし、何度も言ってる挨拶フレーズは自然に口から出てきます。英語だとかなり吃る方だけど、それも以前ほどひどくなくなってきたように感じてます。

ソーシャルする上で重要なのは、たとえ会話が途切れ邪魔になる可能性があっても、相手の言ってる事がわからない場合は、とにかく聞き返す・質問する。わからないのにわかったふりをするのは、相手に対して失礼だし相手もそれを感じとりますからね。そう、かつてそれをやってた自分は、あとで後悔したものでした。

あと、先述した英語で日記やエッセイを書く習慣をつけるようになると、英口語での表現力もあがります。これは面白いなあと思ったのが、よく会話でいろいろ自分のバックグラウンドを訊かれる事があったのですが、なかなかうまく表現できない事がよくありました。でも、英語で考え書くようになったら、以前よりうまくスムーズに表現できることに気づきました。読み書きは本当に重要ですね。

まとめ

こんな事、アメリカ生活をしてる在米日本人なら、おそらく十分理解してる内容ですよね。私があえてここで書いてる理由は、自分への覚書目的です。とりわけ自分の努力をアピールしてるわけではもちろんないし、余計なお世話的に誰かにアドバイスしてるわけでもないです。

それでも、このブログを読んでる誰かが共感し、その人のために参考になりえるのなら、それ以上嬉しいことはないのは確か。

英語力だけではなく何においても、人間ってコンフォートゾーンに入ると、心地良すぎてそれ以上の事をする努力をしなくなるんですよね。それで良いのか悪いのかは個人の問題ですよね。ただ、自分の場合は「それはヤバい」と感じたので、たくさん悩みいろいろ考えて行動しました。

特にアメリカでの就活は、英語ができないと達成できません。日本語ができる事がプラスになるような職は、この中西部では日本企業が集中してる地域以外では転がってません。就活で苦労した自分なので、今英語力アップに集中してるんです。

本当に英語の勉強は終わりなきトンネルそのものだと思います。でも赤子育児と違い、そんなに暗い事ばかりじゃなく、むしろ実行するたびに成果が出るので楽しい、まさに明るいトンネルそのものだと思ってます。

なにに置いても「やってる」プロセスを楽しむ事が、長く続けることに繋がるし、自分への大きな糧になるのではないでしょうか。

悩むなら行動する!それをモットーに明日からまた頑張りたいと思います。