アメリカはここ、クリーブランド。

何のためのウェブサイト?

今やっと重い腰をあげて、SEO(Search Engine Optimization: サーチエンジン最適化)の本を読んでます。この本 (SEO: Search Engine Optimization Bible (Paperback)by Jerri L. Ledford )、L.A.行きの飛行機の中で読むためランダムに買ったので、一番良い本かわからないけど、まあ読んでみてなかなか勉強になってます。

一方ちょっと前にある地元アーティストとウェブサイトの打ち合わせをしてた時のこと。そのアーティスト、「魅力的なウェブサイトが欲しいの。みんながWow!って言うような。だからFlashアニメで作って欲しい!」と言って来ました。確かにブロードバンドが普及して、日本なんか光がもう普通に普及してる昨今、昔よりSEO&ユーザビリティにおけるFlashアニメの有害性*は少なくなってるのかも。

が、しかし!やっぱり今だ100%FlashアニメサイトはSEOに相応しくないよう。この本でもその辺ちらっと触れてましたね。それ以上に、ユーザビリティの観点から考えると、やっぱり100%Flashアニメはかなり考えもの。と、この記事を書いてる矢先、いつも購読してるヤスヒサさんのブログで「ヤコブ博士が考える4つの悪いWebデザイン」という記事を発見。なかなか読み応えのある内容でした。この記事で言及してる悪い例、私も心当たりがあります。いかん、このままじゃ!と改めて勉強になった次第です。

一番よく目にするやっかいなFlash乱用サイトって、やっぱり「Skip intro」とか「Enter」ボタンがトップに来てるものしょうか。大きな声では言えませんが、某大学で教えている先生(マルチメディアコース担当)もFlashをふんだんに使ったサイトをお持ちです。でも、SEOとユーザビリティ、はたまたウェブ標準だって完全に無視。つい私が会員であるクリーブランドウェブ標準協会に誘おうかなって思ったくらい。

あと文字化け。HTML上の文字化けは、エンコード調整によってユーザーが調整することができるけど、Flashはできない!まあ、文字化けに関しては、日本語環境のOS上で作ると分かり難いのかもしれませんが、グローバル化が急速に進む中デザイナーは外国語環境のOSの事を考慮しないといけないですよね。特に情報を伝える目的で作られたサイト(例えば、ニュースサイトや雑誌サイト)は、なおさら100%Flashアニメによって自殺行為になりがち。だから、情報を伝える事が基本理念であるサイトは、かっこよさよりユーザビリティを先に考慮すべきでは。

SEOも結局ユーザビリティとアクセシビティに関わる部分が大きいので、ウェブ標準の哲学は外せないなって。私なりにぶっちゃけた話ウェブ標準にあってるサイトであれば、ユーザーフレンドリーでSEOフレンドリーであるように思います。(←もしや一般説?) だから、全てに辿りつくところはウェブ標準なのかな。

ということで、そのアーティストさんに問いました。「あなたは何をいったいウェブで伝えたいの?誰に観てもらいたいの?」と。「世界中の人にあなたの作品を見てもらいのなら、Flashはやめた方が良いのでは?」と付け加え、ありとあらゆる私の知識で説得してみたけど…本当にわかってくれてるかな。なかなかビジュアル化が難しいウェブ標準哲学…言葉で分かっていても、実感するにはちょっと難しいのかもしれませんね。ある意味、ウェブデザイナーは言葉によるコミュニケーションのエキスパートでないといけないのでは? そんなに風にも思ったわけでした。

*2000年にあのヤコブ博士が提唱した有名な説 「Flash:99%Bad」
つまりFlashアニメは、ユーザビリティの観点から有害であるという説。

4件のコメント

  1. しのぶ

    リンク先をクリックして開いたページでloading…のカウントダウンが始まると
    有無を言わさずウィンドウを閉じることがあります(笑)。
    最初からFlashとかShockwaveを多用した、
    あるいはそれを売りにしたサイトと分かっていれば
    それなりに覚悟(笑)して行くんですが
    けっこうとんでもなく巨大なファイルサイズだったりすると
    PCの負荷も心の負荷も強烈ですしね~。

    あと、個人的に気に入らないのは、Flash内に置かれたハイパーリンクが
    どこに飛ばされるか、クリックするまで分からないことなんです。
    htmlのリンクならブラウザのステイタスバーに表示されたり
    右クリックでコピペすることもできるけど、
    Flash内のリンクは何が起きるか分からないから気味が悪い・・・。
    それと、htmlサイトはソースを見て構造を勉強できるけど
    Flashサイトは構造が全く分からないからテクを盗むことができない(笑)。

    Flashって確かに見た目が派手だし、Wow!ってなるサイトもたくさんあるんですよね。
    だけど、ユーザビリティという観点で言うとやはり疑問がありますね。
    情報提供を優先するサイトではFlashアニメーションを極力抑える傾向がありますね。
    逆にゲームとかプロモーションなど、エンターテイメント色の濃いサイトに
    ビックリするような仕掛けがしてあると、それはそれで楽しいですね~。

  2. endunham

    しのぶさん

    どうも!
    そうなんですよね、私もそれやっちゃいます。予告なしのFlash乱用はけっこう参りますね。同じくbackボタンを即座にクリックする私です :mrgreen:

    日本ではドメインがもう足りないって言われてるくらい、ウェブサイトが溢れてるわけですから、その巨大な情報量の中で、Flashのロード時間や余分なクリックがあるだけでユーザー離れは避けられないのでは。みんな待ってなんかいられないじゃなすか。とにからかく早い情報収集がネットの役割みたいなものだし。

    Flashをツールとして使うなら良いんですよね。例えば、動画とか、チュートリアルとか、写真のスライドショーとか。おっしゃる通り、ユーザー側も心の準備があるからいきなりビックリ玉手箱にならない(笑)

    そうそう、私もリンク先が予想できないの嫌です。HTMLでもボタンが画像だったりすると、ツールティップは必須だなって思います。私もあまりtitle属性をいれずにaタグ書いてたのでちゃんとやらねばと自分に言い聞かせたり。

    とにもかくにも、ヤコブ博士が提唱してもう8年にもなるけど、今だそういった使い難いサイトがたくさんあるので、逆に面白いなって興味深々ですよ。

  3. ひかげ

    お久しぶりですがひかげです。

    ビジュアルとテキストとユーザビリティのバランスは、たぶん永遠の課題ですw

    ヤコブさんの本は2冊ほど読んでみましたが、個人的には遊びの部分が狭いと感じたので、難しいといえば難しいような気がします。

    かねがね、多くの方たちは知らないからこそあからさまに見えるビジュアルのほうが大事なんでしょうね。

  4. endunham

    >ひかげさん
    こちらこそ、ご無沙汰してます。なるほど、そうなんですね。見栄えと情報のバランス…個人的にヤコブ博士のサイトは味気なくて、私もあまり好きじゃないんです。おっしゃるとおり遊び心って、ビジュアル上で大切ですね。コンテントの興味をそそる鍵にもなりますし。まあ、そこがデザインにおけるデザイナーが持つべき勘所ってやつなのでしょうか。

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