アメリカはここ、クリーブランド。

タグ: バイリンガル育児

ただ、暖かく見守ってください。

ワタクシ史上おったまげる事がちょうど2ヶ月前におこりました。
それがこれ↓

そう、ここで書いた記事が予想外の反響があり、たくさんの方からご意見や共感のコメントを頂いたのです。その内容はとっても興味深く参考になるものばかりで、これは忘れてしまう前にまとめておかなくちゃ!って思い、今回再び第二弾的に書くに至りました。

バイリンガル育児は国際結婚をした家族、もしくは海外生活をする日本人家族にとって、言うまでもなく大きな関心の的であります。そして、いかに子に日本語力をつけるかが大きな課題でもあります。

一方、バイリンガル育児に成功した話だけがメディアで取り上げられ、それが当然であるという風潮が広がり、その水面下で苦悩してる人たちに対して社会は冷たい事をみなさんはご存知ですか?

事実、自分自身もその冷たい社会の一人でした。子供たちが生まれるまで、そんなセンシティブな事を考慮する余裕も心の広さもありませんでした。

というのも、実は私の姉も国際結婚をしてます。そして彼女が育児真っ只中だった頃、無神経にもバイリンガル育児についてコメントをした事があります。

「ちゃんとスペイン語と英語教えてる?」。。。と。

そう、国際結婚してミックス児(日本で言う「ハーフ」)を育てる事は、バイリンガル育児当然でしょ?という、今では考えられない無神経な発言をしていたのです。

あれから十数年が経ち子供3人を授かり、いかにバイリンガル育児が難しいか体感し悩み、上にも紹介したブログ記事を書くに至りました。

悲しいことに、そんな無神経な発言は、疑いもなく悪気もなく普通に横行してます。そして、それを耳にするたびに、私は心が折れるのです。子が日本語を話さないのは親の怠慢と責任と言わんばかりに、まるで罪人のように「どうして?」と問い詰められます。その上、国際結婚もバイリンガル育児さえしてもしてない他人から、わざわざ訊いてもいないのにアドバイスなんか受けたりしてね。

前回のブログ記事に対して大きな反響があった理由には、そういった辛い体験をされた方々からの共感の声と「それでも大丈夫!」という育児を卒業した方々からの励ましの声が寄せられたからです。

多くの方々が同じ体験をしてる!これほど励みになる事はありません。だから、たとえ閑古鳥がいつも泣いてるブログであろうと、あえて文字に起こしてここで伝えたいと思いました。きっと同じように傷つき心折れてる誰かのためになるかもしれないから。

かつての私がしたように、無神経な発言は無知と想像力の欠如から来てます。メディアの偏った情報のおかげで、そんな発言の主に陥る事は誰にでもありえます。でも事実を知ることで、その固定観念が変わるかもしれません。そんな小さな希望を抱きながら、とりわけ参考になったコメントいくつかを以下にて紹介したいと思います。

ちなみに、以下で引用紹介した方々以外のコメントもツイッター上で見れるので、上のツイッター欄の「37人がこの話題について話しています」というリンクをクリックしてくださいね。

もーちゃん(@mochan64)さんのコメント

在米歴が長く某大学で日本語教師をされてる方です。

ずっと読みたいと思ってて、やっと読みました!とっても共感して読みました〜。私は、特に仕事柄、子供が日本語が話せないってすっごい色々言われちゃうんですよね〜。私も最初は頑張ってたんですが、当時ははっきりと診断は受けてなかったけど、何か発達が遅れてると思ってた息子に、ちょっと大変過ぎるんじゃないかと思い始めて、英語話し始めちゃったんですよね〜。

この件では、学生にまで「え?どうして日本語話せないんですか?」なんて聞かれちゃったり、もうね〜、苦労してます。でも、家庭には事情ってものがあるから。何もわざわざ、私が「うちの息子には障害があって、、、」って説明する必要もないだろうし。でも、風当たり厳しいのだ。

でも、えっちゃんさんと同じく、絶対に日本を嫌いにならないように、いつか自分から習いたいと思ってくれると信じて育ててきてるつもりです。で、息子は実際、大学で日本語勉強し始めたし。でも、やはりASDの子が外国語を学ぶのは難しいと痛感してるところです。ちょっと、最近、ASDの子の外国語習得について研究したくなってきちゃってます。(笑)と、なんか長々書いちゃってすみません。バイリンガル育児はとっても興味あるトピックなんで。

Miko Yoshimura(吉村峰子 @minekoyoshimura)さんのコメント

日本、米国、欧州、アフリカ各地で生活し、現在南アフリカで日・英教育、通訳・翻訳、執筆業、会社経営をされてる方です。語学教育の専門家でもあり、過去に三省堂の検定英語教科書New Crownを執筆したご経験があるそうです。

ブログを読みました。我が家はちょっと事情が違うのですが、南アフリカ永住です。その前はアフリカ各地を駐在で。私は子どもたちの先生に、「家では英語を」と言われて、「いいえ、家では日本語を話します。子どもが一番安心できる場所で安心できる言語を使います」と言って、顰蹙(ひんしゅく)を買いました。

私たちは日本人夫婦です。高学年になっていくに従い、英語が強くなっていきました。家では意識して日本語を話しました。ただ、子どもたちの日本語は、大きくなって自分が学びたかったら、日本へ行けばいい、というスタンスで日本の通信共育などはしませんでした。不器用な性格もあったので。

結局、上の息子は2年、下の娘も1年弱、大学が終わってから日本へ日本語武者修行?に行きました。本人たちの努力もあって、日本語の実力はかなり上がりました。二人ともピンチヒッターで私の日本語教育の助手もたまにしてくれています。日本のご飯が一番好きな二人です。なんとかなりますよね!🥰😄

家族が美味しいご飯を笑顔で囲めていたら、大抵のことは大丈夫です!私は外国語としての語学教育の専門家なので、本当にいろいろなケースも見てきています。でも最終的には子どもの個性に寄るところが大きいですよね。それと読書量かな。応援してます!

えりな🇺🇸高校数学教師(@InNadeshikoWay)さんのコメント

アメリカの高校で数学の教師をされてる方です。以下のコメントと同時に、ご本人も実体験をブログ記事(「私が子どもに日本語を教えなかった理由」—In Nadeshiko Way)にされておりとても興味深かったので、是非そちらもご一読ください。

うちも子育て一年目で見切りをつけました。
息子がバイリンガルであることより、自分の言葉で意思表現できることのほうが大事!と思ったからです。
家庭環境の条件も、我が家も全く同じだったし、子育てを日本語を話さない旦那と50−50でやるというところも全く同意しました。

今3歳半の娘はアンパンマンのひらがな学習DVDに夢中で、その中で使われてる歌が大好きです。遊びながらアンパンマンのテーマソングや「あいうえお」の歌を鼻歌で歌ったりしてね。苦手な食べ物があると、Soy Sauce! Soy Sauce!と言いながら、キティちゃん醤油をかけて嬉しいそうに食べます。

息子達も娘と一緒にアンパンマンの歌を歌ったり、I want Sushi!と週末にリクエストしてきては喜んでたり。Soy Sauce saves your day!って、キティちゃん醤油好きの娘に言って笑わせたり。

それでもいいじゃありません?

バイリンガル育児を諦めたって、責めないでください。
ただ、暖かく見守ってください。

バイリンガル育児してませんが、なにか?

やっと復活しましたので、それを祝ってまたブログ投稿です。

っていうのも、実は先週の感謝祭連休は感謝祭どころじゃなかったんです。そう、家族みんなでインフルエンザ(?風邪?)にかかってしまったんですね。

幸い今年は子供達の学校の都合上、急遽義理家族がこっちにやってくる事になったので、感謝祭ディナーは彼らにほぼ全てを作ってもらいました。夫と子供二人は発熱中ではあったけど、元気な次男と義理家族、そして私のためにディナーを食べたようなものでしたが、子供達はずっと楽しみにしてたので、義理家族には本当に助けられたわけです。

とにかくその後、家族順々にウィルスが移りまくり、週末も週末明けもずっと引きこもり。そして今週中旬やっと家族みんなで完全復帰となりました。

さて、前置きがかなり長くなりましたが、肝心なお題の方に入りたいと思います。
そう、バイリンガル育児!
はい、ワタクシもう諦めました。
もう一生懸命頑張るのを辞めたんです。

え?そんなんでいいの?なんかそれって子供が可哀想じゃない?日本の家族と話せないのって親不孝じゃない?なんて言う批判の声が聞こえて来そうですが、良いんですよ。外野はなにやったって、あーだこーだ言って来るものですから。

じゃ、なぜに辞めたのか?というとですね。やっぱり無理があるからです。そもそも息子達の方はもう随分前に諦めてましたしね。周りに国際結婚家族が頑張ってるから、なんか一人で頑張ってなくて罪悪感はあったものの、やっぱり日本語教育をしていく状況は厳しいものしかなかったんですよ。

というのも、我が家はバイリンガル育児をやって行ける環境も揃ってなかったし、なによりも我が家にとって英語に軸を置いて育児をする事にメリットが大きいとわかったからです。

いろんな国際結婚家族を観察して思ったのですが、バイリンガル育児が成功する、つまり子供が日本語も英語も話せるバイリンガルになるには、ある条件が揃ってないといけません。それがこれ。

  • 子の両親が日本語を話す。
  • 母親が日本語話者で、育児をフルタイムで担当している。
  • 日本語話者である母親のワンオペ*が多い。
  • スカイプ電話などしたり日本の家族と交流が頻繁である。
  • 日本に長期帰省する回数が多い。(例:年に一回帰省)
  • 日本の家族との絆が深い。
  • 日本語補修校に通わせるために、土曜日を補修校のために確保し優先してる。

これら全てが当てはまってるか、もしくはいくつか当てはまってると、子供の日本語は意思疎通を簡単にこなせるまで上達すると思います。

一方、うちはどれも当てはまりません。なにひとつもです!

そんな状況で、いくらアンパンマンのDVDを見せたって、いくらしまじろうの絵本を見せたって、いくら私が変な日本語を駆使してまで話しかけたって、子供が意思疎通をできるまで日本語が上達するはずがありません!

むしろただただ精神的に疲れるだけです。というのも、子供のしつけをする上で、両親のしつけの仕方(言語)が一致しなけれなば、子供は混乱し正しいメッセージも伝わりません。そして親はただイライラしてしまいます。親にとっても、子にとっても、それは決して良いことではありません。

私にとって、育児を夫や義理家族に手伝ってもらう事、家族全員が同じ言語で話し家族の団欒が楽しい事、学校など社会での素行が良い子に育てる事などなどが最優先でした。それを実行するためには、やはりバイリンガル育児には無理があったのです。

とはいえ、日本語のインプットを断ち切ったわけではありません。娘には今でも日本語で話すこともありますし、息子達が興味を示せば日本語単語を教えたり、文化や習慣を教えたりしてます。もちろん食事だって、日本食は欠かせません。

日本語はまったく話さないけど、日本関連の話題や人が本やテレビで出て来る度に息子達は嬉しそうに話ます。それは自分たちのルーツを理解し愛着を持ってる現れだと受け取ってます。親子の絆が強ければ強いほど、それは決して断ち切れるものでないし、消えることではないと信じて疑いません。

だから、いつか将来彼らが本気で日本語に興味を持ち出したら、惜しみなくサポートするつもりです。逆にまったく興味を示さなくても、それはそれで仕方ないかなと思ってます。日本にルーツを持つからと言って、日本語力を持っていなければいけないわけじゃないし、それを親が強制することも良く無いですからね。

最後になりましたが、最近こんな記事に出会いました。ちょっと古い記事なのですが、内容にとても共感を覚えたのでここでも紹介しておきますね。

日本の親が気づけない「子供をバイリンガルに育てたい」の危険性 —MAG2NEWS

記事文中内にあるこの部分に、私は同意見です。

子どもにとってもっと大切なことは、他にある。身体にそなわった感覚をフルに使って経験値を高めること、思考力を鍛えること、安定した自信を築くこと、他の人への共感を深めること、コミュニケーション力をつけること、知りたいと思う意欲を伸ばすことなどだ。

病み上がりに娘がまず最初に食べたいと言ったものが「おにぎり」である限り、私はそれで十分幸せだと思う今日この頃です。😊


*ワンオペ(=ワンオペ育児):配偶者の単身赴任など、何らかの理由で1人で仕事、家事、育児の全てをこなさなければならない状態を指す言葉である。 母親1人を指す場合がほとんどで、「ワンオペ育児ママ」という派生語もある。 「ワンオペ」とは「ワンオペレーション」の略で、コンビニエンスストアや飲食店で行われていた1人勤務のこと。(引用元:コトババンク

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