心温かい人達との出会い

毎日雑多に追われてると、日常で出会う些細な瞬間っていうのは気づき難いですよね。そして、困った時や辛い時に限って、人間の懐の大きさに気づく。人間とは面白いなとつくづく思う今日この頃です。

今回クロちゃんの一件で、まわりの友人や家族、はたまたネット上の皆さんに随分支えられました。それと同時に動物好きのクリーブランド人の暖かさにも出会える機会があったのです。

クロちゃんの病状が悪化し、殆ど毎日のように獣医さん通いをしてた時です。その動物病院は予約制をとらない珍しい病院で、施設もとりわけ真新しいわけでもないところ。今まで試した動物病院と比べて、診察費が比較的安いところですが、予約制じゃないので混んでる時はかなり待たされます。特に主治医が決まってる場合の待ち時間は、最高1時間と凄かった時がありました。でも、その待ち時間が何気に楽しかったのも事実。同じように待ってる犬や猫との交流はもちろんの事、それらの飼い主さんたちとの交流がほのぼのとしたものでした。ある猫の飼い主夫婦は、涙ながらに余命少ない愛猫のことを語り、クロちゃんの話に同情し、お互いがんばろうと肩を叩いてくれました。ある初老の陽気なおじさんは、数週間前に愛犬を安楽死せざる終えなかった辛い話をし、「君もがんばって」と手まで握ってくれました。

また、クロちゃんを診てくれた主治医はとても良心的な先生で、時には診察費を取らなかったり、ディスカウントしてくれる時があったんです。クロちゃんの様子が心配だからと言い、日曜日にも診てくれたときもありました。ここまで心配してくれる先生は初めてだったので、私はかなり泣けたましたよ。長年そこで働いてる看護士さんの話によると、この先生は十数年前に、儲け主義になってしまった某シェルター内の病院から独立し、同志獣医さん達と共にこの病院を開いたのだそう。そして、治療費を払えない飼い主さん達のための基金活動もしてるらしいです。この先生、よくジョークも飛ばす陽気な人だけど、クロちゃんの病状が悪化した最後の方では、やさしくハグしてくれた情深い人でした。この先生だけでなく、常連になったクロちゃんを覚えてくれ、やさしく対応してくれた看護士さんにも助けられました。

こんな風に心温かい地元の人達に出会うと、この町がどんどん好きになります。そう言えば、ずいぶんこんな経験してなかったなと思ったり。超資本主義、超合理主義の国ではあるけれど、そんな捨てたもんじゃないよ、アメリカ…と、改めて思うのです。見ず知らずの人に同情し、助け合おうとする博愛精神は、アメリカならではのことなのでしょうか?

とにかく、愛犬を失うという辛い経験をしたけれど、同時に得たものは大きかったなと思うのです。これからも、そういった些細な幸せに気づき感謝して行きたいですね。

コメント

  1. Shiz さんの発言:

    私達家族も今年の3月末に愛犬を亡くしました。
    クリーブランドに引越して、家具もない時にレスキューしたパピーだっただけに、子供のように愛してました。でも持病と思われるepilepsyとしょっちゅうの引きつけが悪化していたので、楽になったのかな。と今では思えるようになりました。
    まだ息子は人に「My dog’s name is Spoon!」とよく犬の話をするので家族の心の中では生き続けてます。

  2. endunham さんの発言:

    Shizさん、こんにちはー。

    そっか、Shizさん一家も亡くされてたんですね。
    そうそう。わんこは子供同然で、家族の一員。
    病気と闘ってる姿は痛々しいですよね。ホントお気持ち分ります。
    きっと今は、天国でうちの子と遊んでるのかもしれませんよー。
    そして、ずっとずっと思い出の中で生き続けるんですよね。

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